ペンデュラムウェーブの糸の長さの求め方

投稿日: 投稿者: Shiki

まえがき

こんにちは、えむしーじじょうのShikiです。
今回はペンデュラムウェーブを作るときに重要な、糸の長さの求め方について解説します。

ペンデュラムウェーブとは、下の動画のようなたくさんの振り子を使ってできる波のような現象を呼びます。時間が経つにつれて波のパターンが変化していく様子がとても面白いです。


このペンデュラムウェーブを作ってみようと思い立ち、「長さの違う糸の振り子を並べれば出来るんでしょ?」という軽い気持ちで作ってみたら、見事に大失敗しました。ちっとも波のようにならずにバラバラに振れてしまいました。

その後、原理を調べて、無事に上のようなペンデュラムウェーブを作ることが出来ました。

今回は、いつか実物を作るときに同じような失敗をしないように備忘の意味も込めて、ペンデュラムウェーブの糸の長さの求め方をまとめました。

糸の長さliの求め方

全体の周期(全ての振り子が同時に元の状態に戻る時間)をTcとおきます。
周期TiT_iの振り子がTcT_cで丁度ii回往復する場合、Tc,i,TiT_c, i, T_iの関係は

Tc=iTi(1)\begin{aligned} T_c = i T_i \tag{1} \end{aligned}

となります。

次に単振り子の周期Tは振れ幅が小さいときは糸の長さll, 重力加速度ggを使って

T=2πlg(2)\begin{aligned} T = 2 \pi \sqrt{\frac{l}{g}} \tag{2} \end{aligned}

と近似できます( 導出方法は割愛)

(2)より、周期TiT_iの振り子は糸の長さlil_iggによって

Ti=2πlig(3)\begin{aligned} T_i = 2 \pi \sqrt{\frac{l_i}{g}} \tag{3} \end{aligned}

となります。

(3)を(1)に代入して

Tc=2πilig(4)\begin{aligned} T_c = 2 \pi i \sqrt{\frac{l_i}{g}} \tag{4} \end{aligned}

(4)をlil_iに関する式に整理すると

li=g(Tc2πi)2(5)\begin{aligned} l_i = g \left( \frac{T_c}{2 \pi i} \right)^2 \tag{5} \end{aligned}

となります。この式を使ってペンデュラムウェーブの各振り子の糸の長さliを求めることができます。

動画の場合は以下の表のようにiを53から84までの32個の振り子でペンデュラムウェーブを作成しました。

終わりに

以上が糸の長さの求め方になります。

実物でつくるときは、どのくらいの時間で揃えたいのか、どのくらいの糸の長さまで許容できるのかなど、作れる条件を相談しながら決めるがおススメです。

終わり。

参考URL

Education.com : Pendulum Waves

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