感染拡大シミュレーション – 新型コロナの2つのif
こんにちは、えむしーじじょうのShikiです。
これまで2つ感染拡大シミュレーション関連の記事を投稿してきましたが、今回はシミュレーションならではの、もし新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が○○だったらというお話になります。
COVID-19を模擬したシミュレーション
まずは標準仕様。私なりにCOVID-19を模擬したシミュレーションがこちら。
免疫保持者が増加によって感染者が減少するものの、再び感染拡大を起こり終息しません。
もしCOVID-19の症状がすぐに重症化する感染症だったら…
予測だけでなく、ifも試算できるのがシミュレーションの良いところ。COVID-19は人類にとって相性が最悪の感染症だ、という発言を聞き、それではと、「もしCOVID-19の症状がすぐに重症化する感染症だったら」という条件で計算してみました。 具体的には発症から隔離されるまでの期間を40cycleから10cycleに縮めました。これは現実世界なら発症から2日目には重症化し隔離されることを模擬しています。 その結果がこちら↓
計算に乱数を含んでいるため。3回計算してみたところ、3回中2回が終息しました。残り1回も終息はしなかったものの終息の兆しが見えていました。 この結果からCOVID-19がすぐに重症化する感染症なら、ここまで感染が拡大しなかっただろうと推察できます。
もしCOVID-19の無症候キャリアの感染性期間が長かったら…
COVID-19で恐れらている事の一つが無症候キャリアの存在です。「腸チフスのメアリー」を調べるとその怖さがよく分かります。 標準仕様は無症候キャリアの期間を140cycleとしています(参考文献 の中央値9日+α)が、「もしCOVID-19の無症候キャリアの感染性期間が長かったら」という条件で計算してみました。 無症候キャリアの期間を140cycleから280cycleと倍にしてみました。これは現実世界なら感無症候キャリアの人は約1ヶ月の間、他者に感染させる状態であることを模擬しています。 その結果がこちら↓
こちらも3回計算ましたが、なんと3回とも終息しませんでした! この結果から、長い期間無症候キャリヤとなっている人がいる場合は、外出自粛の解除後に、無症候キャリアが感染源となって感染が拡大する恐れがあると考えられます。無症候キャリア恐るべし! もしかしたら自分自身が今無症候キャリアかもしれないと思うと他人事でもありません。自分自身はそうでないと祈るばかりです。
今回はCOVID-19の2つのifについて扱ってみました。実は2つとも実行前に私が想定していた結果とは違っていて驚いたため記事にしてみました。精度よくモデル化し予測するのは大切ですが、わざと現実と外してみてifの世界を覗いてみるのもなかなか興味深いなぁ、と思った次第です。
終わり。